いま主権をどう考えるか?──グローバル・スタディーズ・イニシアティブ(GSI)キャラバンプロジェクト「主権の諸条件」研究報告会
- 教育・研究
一人30分を超える密度の濃い発表の後、活発な討議が行われました。討議においては、主権の対内的側面と対外的側面との対立が一つの焦点となりました。対内的側面においては、主権は立法権として定義され、統治の公開性へと向かう民主主義的・立憲主義的な性格をもちます。他方、対外的側面においては、主権は戦争を行う権利であったり、核を保有する権利であったり、国際政治という単一の舞台でのパワーゲームに参画するアクターの主張という性格をもちます。
もしかしたら二つの側面は矛盾しているのかもしれず、これらを単一の名前(主権)で呼び表すことそのものが問題含みであるのかもしれないという指摘がありました。他方で、これを単一の名前で呼ぶからこそ、対外的側面を、対内的な側面、すなわち、主権の民主主義的・立憲主義的性質によって中和する可能性も出てきます。
この二側面の関係を考えることこそ、今後、主権という概念に向き合っていく上での重要な論点になると思われます。
- 開催日:
- 2024.03.20
- 会場:
- SCRAMBLE HALL
- 学部・研究科、研究所等:
- 総合文化研究科