なぜ私たちはAIにモーツァルトの指揮を教わるのか?
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高度な音楽の内容をAIを活用して平易に教授するコースであるが、一般向けであるので必ずしも楽譜が読めることを前提としていない。
このため、まずアバターが演示する「ラジオ体操」を教習、自働採点されるシステムを希望者全員に体験してもらった。身体を動かすことで気持ちもほぐれ、場内の空気も和らいだ。
次に、典型的な生成AIの誤出力を指摘するクイズ=「AI検定」を行った。日本語の間違いを合成音声で示し、誤りを見つけるものである。
次いで、音楽でも同様に、AIアバターが演奏する、わざと間違えたベートーヴェン「運命」の演奏から、ミスの箇所を見つける課題を実施した。
「ソルフェージュ」としてテストすれば堅苦しくなるが、楽しいクイズとして体験して貰う事ができた。
これらによって、基礎的な音楽力を測ったのち、希望者全員にまず指揮法の基礎である「たたき」課題をAIアバターで経験してもらい、ついでベートーヴェン「運命」の冒頭部も同様にAIで教習してもらい「型」を身に着けてもらったうえで、実際に弦楽合奏の前に立って「指揮体験」してもらった。
AI教習が有効なのは、こうした「基礎の型」ができていない初心者が対象の場合である。それを過ぎ、自分らしい表現を考える段階に達すればAIアシスタントの守備範囲を超える必要がある。一通りの型を身に着けた実習者に、最後にベートーヴェン「交響曲第八番」「ピアノ協奏曲第3番(序奏部)」序曲「エグモント」などの抜粋を、公開レッスン形式で指導した。3時間に及ぶイヴェントであったが、多くの参加者に深く満足してもらえた様子であったのは何よりだった。



- 開催日:
- 2026.08.01
- 会場:
- CROSS PARK、PLAY GROUND
- 学部・研究科、研究所等:
- 情報学環
QWSを利用した波及効果
一般に東大の主催するイベントは、キャンパスで開催する場合、年少といっても中学生がせいぜいで、小学生の参加は限定的である。しかしQWSで開催すると、家族連れでアクセスの便がよく、毎回親子づれでの参加者が見られる。
今回は、東京大学の音楽教室として最年少記録を更新する2歳児の実技参加があり、きちんと「たたき実習」にも参加したうえ、オーケストラの前にひとりで立つことができた。本学が真の意味で「小中高大」シームレスな教育を実現するうえで、学齢前の幼児のAI実習は貴重であり、他で得られない経験を大学としても持つことができた。